逆説的運命論者①

何年振りだろう。この感覚、小学生の時に図書館裏にある通称"タコ公園"で行われた縁日の一角で、フリーマーケットを出店した時のような眩しい記憶が蘇る。

 


自分が生きてきた中で"盟友""親友"と呼べる人間が、たまたまバンドをやっていたような、そんな逆説的運命論者にでもなった気分でblogを書いている。つまりは9/23@新宿ANTIKNOCKでの催しについてだ。

 


小手、SIDEKICK9とは20年前にANTIKNOCKで出会った。その時、俺はまだペーペーのアルバイトで、THE CREATOR OFとEDGE OF SPIRITによるイベントの入場整列を任されており、小手のメンバーがそこに並んでいたのを覚えている。

 


SIDEKICK9はピュアに出演者とブッカー(俺がマシリトのメンバーとは知らない)として、当時それこそペーペーだった俺が担当したバンドでもあった。フロアには客がほぼいないような状態で、半ばヤケクソ気味のライブをブチかましていたのを覚えている。

 


何の因果か、俺たちは皆、東京の違う地域出身で何処か"地元の友達に似た匂いの奴ら"を感じつつも、最初はお互い牽制し合いながら、打ち上げ(とは言っても勝手に居酒屋で呑んでいるだけ)で一気に仲良くなり、それからは週8くらいで毎晩のように遊んでいた。

 


バンド活動もそこそこに、アイツらと悪ふざけしている時間が楽しくて俺はある日、またいつも通り新宿の居酒屋で、とある提案を持ち掛けた。

 


それはこのエネルギーを音楽に変換して、最強の身内ノリイベントを組まないか、ということだった。ちょうど俺たちは平日のブッキングライブでノルマを払いながら行く先の見えないバンド活動に辟易していた。とは言え、バンド単体ではライブハウスを1日借り切ってハコ代(つまりレンタル料)をペイできる動員も実力もない。どうせ居酒屋で毎日のように酒代に消えていくなら、3バンドでライブハウスをジャックした方が、結果盛り上がることは分かっていたし、俺たちだけでなく、観に来てくれた友達も寂しい思いをせずに済む。プラス副産物として俺たちもステージでカッコつけられる、という寸法だ。

 


その頃は、まだインディーズ(死語?)も元気があったけど、何処かしらのシーンに属さないとやっていけないムードか、あるいは自分らで仲間を集めてシーンを作る、みたいな両極端なイメージだった。俺たちはそのどちらでもなかった。それは3バンドとも異なるジャンルで、まだ自分自身を発展途上だと知っていたけど"誰かに頭を下げるくらいなら!"という想いと"友達作りでやってるワケじゃねーし"みたいな厨二病の狭間で俺たちは出会ったからだ。

 


逆を言えば、発展途上ながらも誰かに迎合するつもりのないオリジナリティはそれぞれ自覚してたんじゃないか。と改めて今になってやっと言語化できる始末だ。でも、きっとこれを読んでくれている人なら"その感覚"が分かって頂けると思う。

 


まずは動員すること。結果(名声や先述したような派閥争いも含め)は後からついてくるよ。そんな想いで立ち上げたのが、SMKの始まりだった。

 

 

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https://www.antiknock.net/schedule/20220923night/