逆説的運命論者②

何も昔話がしたいわけじゃない。しかしながら、遠回りになったとしても9/23の企画の全容を伝える(あくまで小手主催ではあるが)為には、やはり遠回りに生きてきた男たちの背景を自分自身、改めて知る必要がある。

 

前回の続き、俺たちは新宿ANTIKNOCKをはじめ、新宿ACB,渋谷CYCLONE,下北沢SHELTER等でもSMK企画を行った。各バンドが持ち回りでハコやゲストバンドをブッキングし、せっかくジャンル不明の3バンドが企画するんだから、マンネリになるはずもなく、多種多様のアーティストが出演した。

 

但し、俺たちは自然と"SMKの日以外は外で交わらない(共演しない)"という暗黙のルールができていて、この頃になると各バンドが県外にも飛び出し、リリースや話題性も増えていった。そして戻って来るのがSMK=我が家という寸法だ。

 

俺が記憶している中でも最も思い出深いのが、久しぶりのANTIKNOCKでスリーマン+GQ06(当時メジャーデビューしたばかりで当日までシークレットだった)という日だ。何かが変わり始めた予感、リハーサルを終えると明治通りには高島屋の方に向かって長蛇の列、夢でも見ているような気分だった。満員御礼、精算では高額のギャラを貰い、皆で山分けした時にSIDEKICK9のDUNKが、「俺ちょっとベンツ買って来るわ!」と冗談を言ったのを覚えている。(買えない)

 

また、会場限定の3曲入りコンピレーションCDをリリースしたのも良い思い出。そこでしか聴けない音源が3バンド分収録されているので、現在では入手困難となりネットでは10倍もの値段で取引されているらしいから驚きだ。

 

更に、関西にいたORANGE HEADS PRODUCTIVE(eleki),nilescape,神今(kacica,AYNIW TEPOの前身バンド)たちが"ONK"という対抗勢力を作り、大阪でもイベントを打たせてもらった。それぞれのバンドとも全国をカップリングツアーをしたよね。

 

しかし、そんな夢のような日々も長くは続かない。それが人生や青春の残酷さだと思い知ったのは奇しくもマシリトの2nd ALBUM "カミソリギターレディ"のツアーファイナルでの出来事だった。

 

https://www.antiknock.net/schedule/20220923night/

 

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