答えは求めちゃいない

高速バス、池袋行きに乗りながらこれを書いている。12月中旬に梅ちゃんから連絡があった。「両国のライブ後、俺の車で一緒に新潟へ帰ろう」

 

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一昨日の夜、0:00前に自宅を出発。目白通り沿い、自分がかつて暮らした江古田や地元である練馬を横目に関越自動車道を目指す。 

 


車の中では俺たちしか知り得ない昔話や"あいつ、今どうしてる?"という近況報告、そして"今、俺たちはどうしたい?"という会話に夢中になった。

 


タイムリープしたかのように、暗闇を走る車道は雪景色へと変わった。朝方、新潟県・長岡市へ到着。

 


梅原邸・新居へお邪魔させて貰った。正午過ぎに起床し、『麺や真登』へ。梅ちゃんが"人体実験をしたい"という理由から、その店で一番辛い"レッドアリーマー"を奢って頂いた。店主は、その昔、ANTIKNOCKにも出演していたバンドマンで、今はヒップホップな繋がりもあるようで、Zさんの話や9sariのステッカーをあげたら喜んでいた。

 

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その後は俺の"海が見たい"という要望から、柏崎の断崖にある小さな展望台から、絶景を眺めた。真冬の海、凍る水飛沫、海岸線沿いの古民家と原子力発電所。何もかもが、東京にはない景色だった。あまりの寒さと畏怖に襲われて5分と立っていられなかったが、一生忘れられない出来事が増えた。

 


市川淳之介さん夫妻が営む、『カレーキッチンPandora』へ移動。店内には松波さんの最新作がBGMで流れていた。不思議と、月並みな言葉ではあるが、"おかえり"と言われたような気がした。

 

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ホットクラフトコーラと麻辛(まじん)カレーを頂き、翌日の朝食用にカレールーをテイクアウトさせて貰った。さっき食べたけど、美味しかったです。

 


雷が凄かった。目の前でカメラのフラッシュをたかれたような衝撃、音以前にその眩しさに驚いた。自然は怖い。自分は良くも悪くも、都会育ちなんだと身を屈めながら思った。

 


三条を目指し、懐かしの『侍ラーメン』へ移動。ライブの際は必ずここで腹ごしらえをした。自分の味覚が変わったことと、メニュー表以外は殆ど変わらない店内を見て時間の感覚が戸惑いを覚える。

 

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原田篤a.k.a.殿の城、『チェルシーガーデン』に到着。マイメンであるイツミ、オーコシ、ケントが集まってくれた。短い逢瀬だったが、コロナ云々で会えない期間なんてすぐに吹き飛んだ。こういうときに"音楽をやっていて良かった"と思う。皆、友達同士とは言え特別な関係、そこにカテゴリーは存在しない。

 


梅ハウスに戻り風呂に浸からせて貰った。水質が違うのか、疲れがよく取れる。マッサージクッション、通称"しげる"も気持ち良かった。奥さんと東京時代の話で暫く盛り上がった後、全員就寝。少し寝付けずに、ベランダで吸う煙草が美味しかった。

 


目覚めると梅ちゃんはお気に入りのレコードプレイヤーで岡村靖幸のライブ盤をかけてくれた。高速バス乗り場まで送ってくれる道中で初めて、真面目な話をした気がする。内容は割愛するが、現実になることを願う。なるでしょう。

 

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(東京行き高速バス乗り場の写真)

 


一泊二日の旅路、現在は練馬インターを丁度降りたところ。一足早く冬から春を感じさせてくれる帰路。僅か、2〜300km車を走らせれば会える仲間たち。今回の逃避行に理由はないが、夢を見させて貰った。タイトルはそんな戦友の詩集から。

 

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