ごく稀に。

金曜日、9sariに夜遅くまでいて、その数時間後には池袋から成田行きのバスに乗る。まだ外は暗い、TBHを聴きながら、ウトウト、車窓から高速道路を眺める。飛行機の搭乗口、喫煙所で石川大輔と待ち合わせる。

 


機内では家族や仲間の話に花を咲かせつつ、久しぶりの空の旅に緊張と離陸時の興奮は隠せない。関空に着いて、心斎橋を目指す。難波駅で降りて、立ち食いそばで温まる。俺は関西出汁の猛烈なファンだ。

 


アメ村、スタジオに機材を預けしばらく別行動をする。たこ焼きをハシゴする。弘明くんと合流し、サラッとセットリストを確認する。2人とも、いつになく、ギアが入っているように感じた。

 


火影に移動して、BIRUSHANAH佐野くん、palmトシくんとGAUZEの件について話しているうちにリハーサル。大東京音像でも世話になった音無さんがPA。ベースのシールドを変えただけで、あんなに見違える(聴き違える)とは思わなかった。目から(耳から)鱗。

 


一旦ホテルへ行き、3,40分ほど仮眠をとる。会場に戻れば既に大勢の人たちで賑わっていた。出番はすぐ、セッティングを済ませて心を落ち着かせる。ギターのフィードバックノイズが鳴り響きけば、そこからは別世界。いつも断片的な記憶しかない。儚い、走馬灯を擬似体験しているかのようなライブ。

 


正直言って、大阪だから、とかではなく、火影ならではの、あそこにしかない空気感・磁場が存在する。俺は勝手に"西のANTIKNOCK"だと思っている。そういうこと、シチュエーションも含めて主催のCONSTRUCTION NINEはわかっている。素晴らしいイベントだった。年齢を重ねることに意味などないと思いがちだが、経た人間がより深く突き刺さる表現をする、ごく稀に。

 


ライブが終わり、物販に立っていると20年前はギャルだったあの子が小学校5年生の娘を引き連れていたり、昔、俺たちのコピバンで学祭で優勝したアイツや、ローカルなライブハウスの古い付き合いの奴ら、そして"初めまして"の人間ともたくさんコミュニケーションが取れた。

 


打ち上げはex.Nothingnessケースケが働くモツ鍋屋。特にFIVE NO RISKの面々とよく喋った。東京にはいないタイプの、気持ちいい奴らだった。主役のコンストとはつい昔話をしてしまうが、未来の話もたくさんできた。深夜3時にはお開き。名残惜しさを誰もが口にせず、それぞれがそれぞれの明日へ向かう。

 

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翌日ホテルで起床後、関空へ。ロビーの神座ラーメンで腹を満たし、再び雲の彼方へ。成田で石川大輔と別れ、新宿を目指す。再び9sariの扉を開ける。ただいま、俺は金曜日の夜に舞い戻ってきたような錯覚を覚えた。おおよそ24時間の滞在時間、大阪。夢のような出来事であった。

 


MCでも話した通り、新しいMVが出る。弘明くんと音無さんが参加してくれたから、火影に集まった皆には"いの一番"に伝えたかった。伝えることができた。https://youtu.be/8JbtLlLcImY