棺桶の中で

44歳になってしまった。単純に言えば22歳の倍、生きてしまった。マインドこそ、小学生の頃からあまり変わらないものの、鏡に映る自分の姿は時々、疲れて見える。

 


ナリタイジブン、に成れたかどうかはワカラナイ。でも"ナリタクナイジブン"に成らなかったのは、少しだけ誇っていいかな。あまり先のことは考えない。音楽以外のことは、まぁそれでいいような気がする。

 


22歳の頃、なんとなく描いてた40代の自分は音楽的全盛期・ピークをとうに越え、かつての仲間たちとキャンプでもしながらソイツらの子供や奥さんと焚き火を囲んで昔話に花を咲かせている。そんなイメージだった。

 


8年間の活動休止やコロナを合わせるとおおよそ10年、ブランクがありつつも、まだ自分のバンドに四苦八苦しているのは笑える。幸せだ。ずっとこのままでいい、とすら思う。だけど、俺には作りたいもの、作らなきゃいけないモノがある。それだけを全うしてから死にたい。

 


次、66歳になった時、相変わらずしかめっ面で音楽に触れていたい。"あのジジイは面倒くさい!"とか言われながらも音楽にだけは、直向きに、ピュアに、この身を捧げて、焦がしていきたい。

 


「変わり者だけど、変わらなかったな。」と言われて棺桶の中でヒトリ、ほくそ笑みたい。

 

 

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