"中秋の名月"
網戸越しに鈴虫の声
ハーベスト(収穫)ムーン、という呼び名に相応しい
秋の訪れをひしひしと感じる気候
皆さんいかがお過ごしでしょう。
今月はもういきなり本題から書いてしまうと
マシリトの新MV『シークレットメサイア』
が発表された。
どこまで遡ろうか考えたところ
2年前、後輩のRyo Hinoueの自宅で
プリプロダクションを行った時から
その片鱗は見えていた。
ちょうど1年前、大東京音像のレコーディングを終えて
確か、お嬢(松井エンジニア)とミックスについて奮闘してた頃
俺の中だけで、この計画は三分の一は見えていた。
昨年11月、新譜リリースのお知らせがSNSに流れる頃、やっと目標の半分は達成できたと思った。
俺の歌ってるver.が聴きたいなら
をクリックして下さい。
今年の2月だっただろうか
うちのドラム石川大輔とヒルバレースタジオのロビーで休憩してると
突然、彼が
「Secret MessiahのMVを撮りたい。できれば柿崎さんが主演のイメージで」
と提案してくれた。
4月に入り、レーベルのボスと先方の事務所に伺いミーティングをした。
5月、監督・編集を務めたダイキくんと主要メンバー全員で鎖カフェに集まりプロトタイプの動画を皆で観た。
同時進行で柿崎さんの歌入れ
お嬢と俺でハーモニーの見直し
ミックスをイチからやり直した。
6月、マスタリングエンジニアをスウェーデンのイェンス・ボグレンに依頼。7月頭には音源が仕上がっていた。
7月、ついに撮影日、予報では雨だったが
奇跡的に降られずにクランクアップ。
そして8月、編集が終わり無事、下旬にティーザー(予告編)が公開された。
ここまで約2年かかった。
冒頭でプリプロを手伝ってくれたRyoくんは最近
俺にメールで
"曲作る段階で目指してたものを完遂する気力"
に感激した、と伝えてくれた。
今日までなんのことかイマイチわからなかったけど
こうして文章にしてみると不思議な気分だ。
その間にコロナ禍が訪れたこと
相次ぐ緊急事態宣言
鎖カフェの休業が続いたり
シン・エヴァンゲリオンを観に行ったことも大きかったように思う。
ただ、妥協したくない一心で
色んな人に迷惑をかけた。それ以上に多くの人に喜んでもらえたなら俺は報われたと思う。
何より、柿崎さん お嬢 ダイキくんの3人は本当によく頑張ってくれた。当然、代わりの効かないメンバーだと思ったし
物作りに対する誠実さを間近で観れたのは(自分も感化される瞬間に立ち会えて)光栄に思う。
なるべく"作品自体が語ってくれる"ように手は尽くした。小ネタや考察できるポイントも10や20じゃきかない。何度見ても新しい発見があるMVだ。
ここまでザッと一筆書きで文字にしてみた。
他にも協力してくれたメンバー、裏方スタッフについてはTwitterで紹介させてもらった。色んな奇跡が重なってできた2021年、東京・新宿の物語。
すぐそこには都庁
目と鼻の先にはオリンピック会場がある。
感染者拡大とネットに飛び交う罵詈雑言
その闇に紛れて、不気味なほど静まり返ったサザンテラス 歌舞伎町 ゴールデン街を舞台に
この日、この瞬間にしか撮れなかった映像を
皆さんにお届けできたなら幸いです。
「才能を出し切ってから死にたい」
俺にそう思わせてくれたのはみんなのおかげ、存在です。
人生には許容できないこともある
それがいつの日かフッと成仏するような
弔い合戦
マシリトの音楽があなたにとって
そんな役割になってくれたら嬉しい。
次はライブ会場で会いましょう。良い満月を